2010年01月25日
チープガンの愉しみ(2)~望まないがゆえ
たとえばパワーでいえば時おり0.5Jに迫るツワモノもあるにせよ、たいていは0.2J未満、いちばん軽い0.12gBB弾でせいぜい40m/secという程度のものがほとんど。最近は特に自主規制も強くなったのか、ASGK(最初に行ったイベントが浅草だったので、これASakusa Gun Kyokaiかと思ってました。マジで)で言うところの「10歳以上」仕様とほぼ変わらない0.11J前後のものばかりになってしまいました。たまに0.2Jを超えるようなものにめぐりあうと嬉しさのあまり小躍りしてしまうほどです。
グルーピングに至ってはおよそグルーピングなどと呼べるものではありません。「集」弾性というよりは「散」弾性と言い替えた方が適切でしょう。「5mで何センチ以内に収まる」というよりは、「5mでも何センチ以上には外れない」という言い方しないと表現できません。そういう意味で、たいていの中華チープガンの「散弾性」はだいたい5mで50cmから80cmといったあたりでしょうか。つまりほとんどの場合、タマはあさっての方向に飛んでいきます。
しかしそれでもここ2年あまりの中華ガンの進化は相当なもので、中にはマルイのエアコキと遜色ないものもポツポツと現れ始めました。パワーこそせいぜい0.2~0.3J程度ではあるものの、5mで5cmの的を外すことのない名器・XKシリーズやP169のような逸品に出逢うことも。稀にこういうことがあるからチープ漁りはやめられないんですけどね。
もちろんハズレの方が圧倒的に多いのは言うまでもありません。たいていはまず箱と中身のギャップに仰け反り、マズルのズレやユルさに落胆し、撃ってみて弾道の行方を見届けていっそう自虐的な思いに浸ります。あーあ、また買っちゃったよ畜生、というアレ。高額な新製品を買ったときのちょいニヒルな「買っちゃったよ。フフ」とはかなり違います。どちらかといえば、ルパン三世に出てくる五右衛門の「またつまらぬものを斬ってしまった」の方が近いかもしれません。

さてそんな哀しい自嘲を繰り返してもう2年半。今やGoogleでもYahoo!でも「チープガン」を引くと最上位にこのblogが出るようになりました。当たり前です。だってこんなニッチでお馬鹿なことやってるのはここぐらいですからね。
タグ :チープガン
2010年01月18日
チープガンの愉しみ(1)~この大いなる無駄

そのほとんどがいわゆるチープガン。中国製の粗悪な模倣品ばかりです。およそ一般的な眼で見ればガラクタ以外の何ものでもありません。こんなものに歓びを見出すとは、酔狂という言葉はオイラのような人間のためにあるのかと。
1挺あたりの価格はせいぜい300円から500円。中には100円という代物も。それでも200挺は裕に超えてきたであろうこのコレクション、足し込めばまともなエアガンの4挺5挺は買えるほど散財してきました。そういう意味では決してビンボー根性だけで安物買いして集めたものでは決してありません(それもありますけどw)。その証拠にコレクションの中にはこっそりとマルイのハイキャパも忍び込んでいるし、サバゲに参戦するためにスコーピオンの電動とガスも揃えました。レトロな競技用の銃もバックアップ用まで含めて何挺か調達。1挺でチープガン50挺が買えるほど高価な銃もけっこう紛れ込んでいたりします。
しかしこの世界、この道何十年の諸先輩方はそれぞれに素晴らしいこだわりを持つ方々ばかりで、昨日や今日にテッポーを握り始めたばかりのこのど素人のオイラがいくらカネをかけてそこそこの品を揃えたところでとても相手にはしていただけません。そもそも千軍万馬の諸先輩方と亙り合おうなどということじたい畏れ多い話ですが、少なくとも普通に遊んでいただけるようになるまでには相当な時間がかかりそうだと思いました。
ましてトイガンの業界はかつての大ブーム・小ブームもいくつか過ぎ去って冬から真冬どころか氷河期に至ろうとするような時期。メーカーの新商品開発意欲もそれほど旺盛ではなさそうな気配。このどうしようもない閉塞感の中でオイラが諸先輩に少しでも追いつくためには、まずガキンチョからやり直すのが一番だと考えました。ガキンチョならどうやってテッポーで遊ぶか。そうです。まずは小銭を握り締めて絶滅寸前の駄菓子屋に走り、風前の灯火のようなチープガンを買い漁る他ないのであります。
ともあれ今に至るまでには手間もヒマもかかりました。何しろ奥が深いですからね。中国の国土の広さがそのまま中華チープガンの世界の広さと言っても言い過ぎではないでしょう。それはある意味、マルイやWAなど一つのメーカーを追いかけるよりも大変な行程だったかもしれません。
タグ :チープガン
2010年01月11日
チープガンの愉しみ(序章)
東京都荒川区。JR日暮里駅前の右半分は、およそ統一感のない低いビルがいくつも並び立つのどかな駅前の風景。そののどかな営みを愉しむなら駅に接したビルのエクセルシオールの2階席がお奨め。狭いロータリーをひっきりなしに回ってくる路線バスは昔の風情そのまま。
しかし左側には場違いなほど大きな高層ビル。ここにあったはずの戦後の闇市の名残りのような軒の低い問屋街は数年前に再開発のブルドーザーに一気に地ならしされ、代わりに洗練された高層ビルがそびえ立っています。旧き良き時代の面影を湛えた風景は、まるで左半分だけ別の街の写真を貼り付けたように一変してしまったのでありました。
さてその駄菓子問屋街。もとあった店の多くが廃業あるいは移転した中でこの場に留まったのは「大屋商店」と「村山商店」だけ。致し方ありません。折からの少子化による市場の縮小に加え、後継者のいない都内の駄菓子屋は次々と姿を消してるんですから。小売りが減ったら問屋もやっていけないということです。
そういう意味でその商業ビルは来たるべき駄菓子産業の滅亡に先だって建てられた巨大な墓石のようにも映るわけですが、どっこいその墓石ビルの1階の片隅にしがみつくように派手なオレンジ色の看板を掲げているのが、我らの「村山商店」。間口は2間、中はせいぜい8畳か10畳程度でしょうか、小ぢんまりとした店です。
壁一面に色とりどりの駄菓子がひしめき、さらに壁と壁との間に床置きされたスチールの棚には台紙に貼り付いたままのおもちゃ類が危なっかしく重ねてかけられています。狭い通路にまでびっしりと積まれた商品を身体を横にして避けつつ恐る恐る入っていくと、その棚の上段の一角が目指すチープガンの在庫。入り口からはこの一角が死角になっているので、奥まで来てみないと何が置いてあるのかわかりません。
さて今日はどんな逸品があるものやら。距離にしたら入り口からわずか2~3mばかりのこの通路を抜けていく時間が、チープガン漁りをしていて最もワクワクする時間です。とはいえ昨今はめぼしいものが無くて当たり前、何か一つでも買って帰れる新作があればそれこそ宝くじにでも当たったように浮き足立つものです。
えぇ、この暮れにも足を運びました。お正月前だったせいか、「大屋商店」と合わせて逸品が3つ。いいお年玉になりましたよ。
そちらをご紹介する機会はまたずっと先に譲ることとして、次週から4回にわたってチープガンの愉しみを長々と綴っていこうと思います。
しかし左側には場違いなほど大きな高層ビル。ここにあったはずの戦後の闇市の名残りのような軒の低い問屋街は数年前に再開発のブルドーザーに一気に地ならしされ、代わりに洗練された高層ビルがそびえ立っています。旧き良き時代の面影を湛えた風景は、まるで左半分だけ別の街の写真を貼り付けたように一変してしまったのでありました。
そういう意味でその商業ビルは来たるべき駄菓子産業の滅亡に先だって建てられた巨大な墓石のようにも映るわけですが、どっこいその墓石ビルの1階の片隅にしがみつくように派手なオレンジ色の看板を掲げているのが、我らの「村山商店」。間口は2間、中はせいぜい8畳か10畳程度でしょうか、小ぢんまりとした店です。
壁一面に色とりどりの駄菓子がひしめき、さらに壁と壁との間に床置きされたスチールの棚には台紙に貼り付いたままのおもちゃ類が危なっかしく重ねてかけられています。狭い通路にまでびっしりと積まれた商品を身体を横にして避けつつ恐る恐る入っていくと、その棚の上段の一角が目指すチープガンの在庫。入り口からはこの一角が死角になっているので、奥まで来てみないと何が置いてあるのかわかりません。
さて今日はどんな逸品があるものやら。距離にしたら入り口からわずか2~3mばかりのこの通路を抜けていく時間が、チープガン漁りをしていて最もワクワクする時間です。とはいえ昨今はめぼしいものが無くて当たり前、何か一つでも買って帰れる新作があればそれこそ宝くじにでも当たったように浮き足立つものです。
えぇ、この暮れにも足を運びました。お正月前だったせいか、「大屋商店」と合わせて逸品が3つ。いいお年玉になりましたよ。
そちらをご紹介する機会はまたずっと先に譲ることとして、次週から4回にわたってチープガンの愉しみを長々と綴っていこうと思います。