2008年06月17日
アキバのその後

AED設置のために大声で募金を呼びかける若者たちがいた。土曜日の午後の秋葉原駅前。その姿を何気なしに撮ろうとケイタイを向けた僕の前に、一眼レフを首に提げた四十がらみの男が立ちはだかった。
僕は咄嗟にすいませんと謝ってケイタイを収めた。確かにご時勢からしても軽率だったと反省する。が、男の説教はそこからが本番だった。
「あなたみたいな人が人を傷つけてるんですよ。まだわからないんですか?」と強い口調で男は続ける。「彼らの真剣さがわからないんですか?」
やれやれ。もちろん悪意はなかった。若者たちがこういう活動をしているとブログやmixiで紹介しようとカメラを向けただけのこと。確かに配慮が足りなかったと思う。僕は男にそう説明したがまったく聞く耳を持たず、さらに語調を荒げるだけだった。
「あなたは誰かに頼まれたんですか? 我々は彼らに依頼されて撮影してるんです。報道はわれわれプレスが責任もってやります。余計なことはしないでください」
ここでさすがに僕もキレた。
「せいぜい偽善報道でもやってなよ」
僕はそう吐き捨てると、なおも何か説教したそうな男を無視してその場をあとにした。
ことほど然様に秋葉原の異常さは想像をはるかに超えていた。
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